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憲法改正議論を、ざっくりとまとめてみた

憲法改正議論の最大の焦点

現行憲法では、「問題」があるから改正が必要といわれている。

「問題」とは何か? このとき、議論の出発点でもある「問題」の定義が、実は明確ではない。

私が思う最大の「問題」な部分は、9条2項「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。」という部分であると考えます。何故なら、日本には自衛隊という世界ランキング7位か8位の戦力があるからです。「言っていることと、やっていることが違う」という矛盾が生じているのです。

自衛の為だったら持ってもいい? それならそう書かないといけないのでは?

立ち位置の違いで、ズレる論点

素直に憲法を読めば、どう見ても戦力である自衛隊は、憲法の「戦力の不保持」に則っていない。そもそも、敗戦国の武装解除を永続的に行うための憲法であったわけだから、軍隊やそれと似た組織を持つことを想定していない憲法なのです。それを書き換えないまま何十年もきてしまった。

現在の自衛隊は、多くの国民に認められていますし、防衛のためには無くてはならない存在であるわけです。

でも、憲法9条には戦力の不保持が書いてある。

 なら、この矛盾をどう解消したらいいのか?

 

①自衛隊を無くそう!非武装中立だ!

今は、これを言う人は少ないかな? まあ、極端な人はどこにでも存在しているだろうけど。昔、自民党と肩を並べる一大勢力であった旧社会党は非武装中立を掲げていましたが、当時の冷戦下でなら多少は議論できた話だったと思う。

しかし時代は変わり、今日において非武装中立と言っている人は、どうやって非武装中立を成り立たせるかまでは考えていないのではないでしょうか。

②9条を守るために、将来的に自衛隊を無くす。

今は必要だが、将来的に戦力を持たなくなれば憲法との矛盾がなくなる。だから、憲法は何も変える必要がないという考え。しかし、憲法は努力目標で良いのでしょうか。

③自衛隊は違憲のままがいい。

左派の政治家の一部には、暴力装置である自衛隊を過度に危険視し、本来はしっかりとした文民統制を行えば良いはずのものを、存在を曖昧にし貶めることによって、自衛隊を自分自身でより厳しく律する組織とさせ、統制をとろうとする考えがあるように思えます。

④自衛隊は合憲で何の問題もない。

自衛隊は「自衛のための必要最小限度の実力」組織であるので、戦力ではない。歴代の政府は、そう言ってきました。そのまま、敵基地破壊能力を持てるし、集団的自衛権の範囲内で海外での限定的な戦闘行為もできるとしている。

⑤自衛隊は曖昧な存在の方が、何かと都合が良い。

自衛隊は軍隊ではなく、警察予備隊からの延長でできた行政組織なのである。この事実により、他国に派遣することを拒み、派遣しても交戦は出来ないので後方だけ等、上手いことここまでこれました。これからもこの状態が良いのではという考えの政治家は結構多いのではないでしょうか。

⑥9条2項を変更して、国防軍を明記しよう。

海外でも活動することもある自衛隊は、戦えない軍隊である。ポジティブリストといわれるやっていいことだけをやることができる組織である。それでは、危険な土地での活動に都合が悪すぎるので、やってはいけないことだけ決まっているネガティブリストで動く軍隊にするべきではないかという考えからくる「国防軍」案。

戦えない軍隊では、国防は難しいという考え。

⑦9条1項、2項を維持したまま、3項で自衛隊を明記しよう。

自衛隊が違憲と言われるのは、可哀想であるから合憲にしようという感情論。

単に合憲ということにするだけで、実際には問題の解決にはならないのではないでしょうか。

⑧アメリカに押し付けられた憲法は破棄せよ!

占領下で作られた憲法はそもそも無効である。だから、改憲も何もない。

もしくは、改憲なんてしてしまったら現行憲法を認めたことになってしまう!

 

憲法改正議論の考察

むりやりに図でまとめるとこんな感じ。

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何か、いろいろと角が立ちそうですね。

(ちなみに、片方に「平和」文字があるが、軍事力容認側も目指すのは平和と安定であることには変わらないですよ。)

 

なので、図をこういうセグメントにしてみます。

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で、9条と自衛隊の関係に問題があるということですから、このポジションをやめるべきではないでしょうか?

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 そして、今の現状にあっていない憲法なら修正してバージョンアップしなくてはいけないのでは? 自衛隊をなくそうなんていうのは、現状ではいらない意見ではないでしょうか?

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そして、憲法を変えずに自衛隊のやることや装備の拡大をするのもおかしいのでは?

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以上のことから、下記の範囲で考えていく必要があるのではないでしょうか?

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上記の範囲を、細分化して議論を進めればいいのではないでしょうか?

 

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この枠内での議論や憲法案を出しているのは、自民党の2012年草案だけなのでは?

軍事力容認でない立場で、解釈での変更が効かないような条文案を出す勢力があってもいいのではないでしょうか?

まあ、私は2012年草案や石破案を支持しますが。

自衛隊はどう見たって軍隊だ。それを「自衛のための必要最小限を超えない実力」組織であって、憲法で禁じている戦力ではないという欺瞞をいつまで続けるのですか?

 

国会での発議、国民投票まで行けるのか?

最大勢力の自民党は、3項に自衛隊を明記する案で進めようとしている。当初の目的は自衛隊の合憲化ということだろうが、今は改憲を成功させることが目的となっているように思う。

そして公明党が受け入れやすい案、国民が受け入れやすい案がになっていくのか?
しかし、そもそもの問題は、自衛隊が合憲か違憲かだけではないはず。

 

自衛隊は軍隊なのかそうではないのか?

自衛隊の戦力は、9条で禁止しているもの以上なのか未満なのか?

自衛隊は(集団的)自衛権の名のもとに、どこまで活動が許されるのか?

 

こういったことが解消されなければ、憲法学者の言う「違憲」は、なくならないのではないでしょうか。 

北朝鮮が頑張っている今のタイミングでしかないのでしょうが、目的が「改憲」や「合憲」では、何も問題解決にはならないと私は考えます。