実はもっと低い? 日本人の平均年収。400万円以下でしょ?
「民間給与実態統計調査」というものが、毎年国税庁から発表されています。この数字をもとに、いろいろなサイトで平均年収が話題になっていますが、この数字本当に正しいの?
平成26年の平均年収は415万円ってホント?
実はこの数字、男性も女性も、正規も非正規(パート、アルバイトも含む)も含めての平均。
(たまに、日本人全体の平均だと言っているサイトが有りますが、これには無職の人や年金の人は含まれてません。)
内訳はこちらです。
平成26年 | 正規 | 非正規 |
男性 | 5,323,000円 | 2,220,000円 |
女性 | 3,593,000円 | 1,475,000円 |
なんと! 正規の男性の平均年収は532万円なのです。
40代になればそのくらいになるか?
でも平均でしょ? そんなにあるのかな?
何か多くない?
なぜなら、この統計は全ての事業所の平均ではなく、一部を抽出しているから。標本数はわずか30万人弱。
30万人の平均ならいいのでは?と思う方もおられると思いますが、この約1/6の5万人弱は資本金10億円以上の本社社員。
働いている人の平均年収を出す時に、6人に1人が資本金10億円以上の本社社員って・・・。
さらに!「標本事業所において年間給与額が 2,000万円を超える者は、全数を抽出した。」って、何? どういうこと!!
どう考えても、平均が高く出そうなんですけど。
日本の企業数の割合と離れすぎでは?
先の国税庁の「民間給与実態統計調査」での企業の標本数はわずか2万事業所でしかないが、日本には400万弱の企業が存在している。
その99.7%は中小企業であるにも関わらず、標本の2/3が大企業。
これで、日本の平均給与と堂々と言えてしまうのがわからない。
まあ、指摘はそこそこに、自分が知りたいのは、フルタイムで正社員が働いて平均にいくら稼げるかです。
なので、この微妙な抽出から、さらに微妙な抽出をしてみる。(笑)
男性ヒラ社員の平均給与を算出してみる
「民間給与実態統計調査」の「(第 1 6 表)給与階級別給与所得者数・構成比」を使ってみる。
拾うのは、200〜600万円まで!笑
平成26年の内訳は以下の通りです。
200〜300万円 | 3,714,000人 | 13.2% |
300〜400万円 | 5,138,000人 | 18.3% |
400〜500万円 | 4,878,000人 | 17.4% |
500〜600万円 | 3,582,000人 | 12.8% |
でも結構まじめな話で、人数分布の割合をグラフにすると下図になります。
濃い部分が200〜600万円で、合計は61.7%もあります。
あえて大企業を多く抽出しているのだから、これでも「本当の平均」からは高く出るのかもしれない。
計算にあたっては詳細データを知らないので、200〜300万円の人の給料を一律250万円で計算。それぞれ、350万円、450万円、550万円で計算。
すると、平均年収は398万円となります。
この数字が正しいとは言いませんが、結構妥当な数字ではないでしょうか?
まあ、「希望」はない数字ですけどね。
作られた数字に惑わされない
この統計には公務員は入っていない。労働人口に対して6%ぐらいは公務員ですが。
といっても、そこら辺の市役所の職員の月給は30万強でしょう。まあ、手当がいろいろ付くらしいけど。さらに、民間には無い所も多くなってきたボーナスはしっかりある。
昨今、メディアなどで景気のいい話が流れていますが、もっと自分の肌感覚を大事にした方が、正しい判断ができると思う。
メディアやネットに答えを求めるのではなく、街に出て観察するといいのかも。自分も含めてね。
それにしても、そろそろ全部集計して平均出す技術はないのか? 今はコンピュターがあり、昔よりはるかに計算は速くできるでしょ。
マイナンバーがちゃんと使われるようになると、真実が表に出てくるのでしょうか?